世界最大のアウトドア専門店チェーン ＲＥＩ（Recreational Equipment, Inc、レクリエーショナル・イクイップメント・インク）は、アウトドア産業で起業し、事業を拡大しようとしている有色人種の起業家300人に3000万ドルを投資するイニシアチブ「パス・アヘッド・ベンチャーズ」（https://www.rei.com/path-ahead）を発足させました。

対象は黒人、先住民族、アジア系、ラテン系、アメリカ太平洋諸島民族をルーツとする有色人種の起業家たち。

REI上級副社長のスーザン・ビスコンさんは「起業家たちが成功すればアウトドア業界自体が発展し、より包括的になり、すべての人々を歓迎するようになる」と語ります。

REIはこれまで何カ月にもわたり、何百人もの起業家、投資家、業界のリーダーたちと話し合い、「パス・アヘッド・ベンチャーズ」の設立を決めました。REIによると、アメリカのアウトドア業界の中で有色人種がオーナーのビジネスは1％しかなく、既存の小売業者は小さく新しい会社が太刀打ちできないような方法で商品を手配するため、起業家たちに不利益をもたらしている。REIは“有色人種の起業家によるブランド”を2030年度までに最低200ブランド、新たに導入する方針で、それにより、“有色人種の起業家によるブランド”の売上高を10億ドル相当、総売上高の15％以上にすることを目標としています。

対象としている商品・サービスは各種アウトドアアクティビティに関連する用品・用具や、食、コスメ、サービスなど幅広く、REIでは起業しようとしている人たちのアイデアをビジネスモデルに落とし込む手助けや3カ月間のバーチャルコースなどを受けられる「エンバーク」プログラムと、既存の創業者が生産や配送、宣伝、ネットワーキングなど、事業拡大につながる手助けを受けられる「ナビゲート」プログラムを22年からスタートする予定。

REIは起業家にたいして、１）アウトドア業界の中でのネットワークづくりや、２）商品開発力、サプライチェーンのネットワーク、配送、マーケティング、サステイナビリティ―（持続可能性）におけるノウハウを提供し、３）商品やサービスをテストするときにコミュニティーのメンバーや従業員などの協力を得られる、４）助成金や直接的な投資などを受けられる――支援を決めています。

新しいアウトドアブランドの育成に多様性の力を！

REIとアウトドア産業の今後にご期待ください。

REI（Recreational Equipment, Inc、レクリエーショナル・イクイップメント・インク）は1938年、シアトルで登山家による登山家のための協同組合として創業し、2021年末現在で店舗数は約171店、従業員は約１万3000人規模、売上高は約30億ドル。世界中に2000万人にのぼる会員をもち、登山やキャンプ、スノースポーツ、自転車、リバーカヤックなどアウトドアにかかわる幅広い領域の用品・用具を販売するほか、アウトドアに関わるアクティビティも展開しています。

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